カブキ蝶
作詞 作曲 : 鎌倉圭  編曲 : 石黒秀和

今すぐおいで ありったけの現金を持って
徘徊する残党ホストが 女性の足を止めたのは
そう その人の中の寂しさを利用したから
今すぐおいで ありったけの元気を持って
キャバクラ店の客引きが 男性の足を止めたのは
そう その人の中の欲望を操作したから

歌舞伎町商店街振興組合の迷惑行為禁止のアナウンス
正当な訴えに笑えてしまうのは この有り様のせいだろう

僕らヒラヒラ舞う カブキ蝶
甘い香りのする方へ
華やかさを装って 虚しく飛ぶのさ

地べたに座って 夜と戯れている若者達
大量のアルコール ドラッグが 彼らに与えているのは
そう 一時の快楽とそれに伴う多大な代償

カラオケ店から聞こえてきた映画の名曲を当て嵌めて
「歌舞伎町の中心で愛を叫ぶ」 瞳を閉じて君を描くよ

僕らヒラヒラ舞う カブキ蝶
更なる刺激を求めて
上品さを身に着けて 下品に飛ぶのさ

この街なら 煩すぎて本音は 聞こえないでしょう
この街なら 明るすぎて本心は 見えないでしょう
新しく入ってくる蝶 飽きて出てゆく蝶
また舞い戻ってくる蝶 この花園は全てを受け入れる

僕らヒラヒラ舞う カブキ蝶
甘い香りのする方へ
華やかさを装って 虚しく飛ぶのさ

僕らヒラヒラ舞う カブキ蝶
更なる刺激を求めて
人であることを忘れて 今夜も飛ぶのさ
飛ぶのさ 飛ぶのさ ヒラヒラヒラ ヒラヒラヒラ

地べたに座って 夜と戯れていた若者達
ゴミ収集車のエンジン音が 彼らにお知らせしたのは
そう この街の朝と快楽後の多大な代償